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2021/08/02洋服の良し悪しはパタンナー次第、意外と知らないパタンナーの仕事とは

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洋服の良し悪しはパタンナー次第、意外と知らないパタンナーの仕事とは

洋服の良し悪しはパタンナーで変わると言われています。パタンナーの仕事とは「洋服の型紙(パターン)を作る人」です。
「型紙」とは洋服の設計図のことです。プラモデルを作るときに説明書がないと作れないように洋服を作るときも設計図がないと作ることができません。

ラグジュアリーブランドで、よく新しいデザイナーの就任が報道されますが彼らの独特な感性を再現するためにはパタンナーの力が必要です。

そして、デザインをどのように表現するかはパタンナーによって異なってきます。ありとあらゆる知識と技術を総動員してデザイナーの感性にこたえられるかがパタンナーの腕の見せどころです。
その知識と経験はなかなか文章で伝えることはできませんが、ご紹介したいと思います。

  • パタンナーはデザイナーの思いを設計図に起こす仕事

    パタンナーはデザイナーの思いを設計図に起こす仕事
    パタンナーはデザイナーの想いに応える仕事です。デザイナーがこんな洋服を作りたい!といって完成された絵を出してきます。そこには比較的、抽象的な言葉が入っています。
    「キラキラした素材」とか「ふわふわ風に舞うようなスカート」とかデザイナーの独特の感性が書いてあります。抽象的な概念をどうしたら再現できるか、その設計図の作成がパタンナーの仕事です。
    材料を立体の洋服にする「洋服の設計図」ができて初めて、洋服を生産することができます。

    オートクチュール(※1)の洋服は、1点1点この設計図が必要になるので価格が跳ね上がるわけです。逆に大量生産の洋服は設計図が1つあれば良いので、価格を下げることができます。
    シルエットはもちろん、微妙なカッティング、フィット感や着心地といったデザイナーの感性を再現できるかどうかは型紙の出来に左右されると言っても過言ではありません。
    洋服のことをどれだけ知っているかがパタンナーのキモになってきます。
  • 立体裁断をする技術

    立体裁断をする技術
    パタンナーは立体裁断を使って設計図を描きます。平面である生地を立体で考える時は、実際にヌードボディを使います。
    ボディに生地を当てていきながら、生地の持つ表情や、素材の物理的な特性を感じてパターンメイキングをします。
    工場などではCAD(※2)も使うでしょうが、実際にはボディを使ったほうがイメージがしやすいでしょう。

    作りたい洋服によってヌードボディの種類も様々です。
    例えば、大量生産の洋服の場合は不特定多数の人を対象とするので平均的体型のボディを使いますし、特定の人のために作る場合はその人に合ったボディを使います。
    国、文化、年齢、どんな人に着て欲しいか、デザイナーの想いを実現できるかはボディ選びから始まっています。そして、その服を着る人はどんなライフスタイルを送るのかを想像します。

    服を着た状態で、座ったり、走ったり、手を高く上げたり、どんな着心地が求められている服なのかを考えて完成イメージを頭に浮かべながら、作図に工夫をこらしていきます。
    そこには、センスや発想力も必要かもしれませんが、何よりも技術と知識が必要です。

    設計図として少しの誤差も許されない中、表現力が問われます。デザイナーとパタンナーが一心同体でいるかどうかも洋服作りの大事な要素でしょう。
  • 生地や加工・縫製の知識

    生地や加工・縫製の知識
    デザイナーの想いにこたえるためにはどんな知識が必要なのでしょうか。デザイナーの想いに応えるための正解は存在していません。膨大な量の生地の特性や、加工方法、縫製等の知識を持つ必要があります。
    例えば、デザイナーが腕周りの動きにストレスがかからないジャケットを作りたい!と思ったとしましょう。秋冬のジャケットで生地が厚くても、肩周りが窮屈に感じないジャケットです。
    やり方は色々ありますが、例えば織物の生地をバイアス方向(※3)に縫製することで伸縮性が高まるという方法があります。

    織物の生地は縦と横にひっぱると伸びませんが、斜めに引っ張ると縦糸と横糸の長さの分だけ伸ばすことができます。肩周りは生地にバイアスの力が働くように縫製します。
    写真の赤丸の部分はバイアスの力が働くように縫製されているので肩周りのストレスを軽減できます。

    生地の厚さもそれぞれなので、どのくらい余らせて生地を取るかもすべて設計図に書き込まなければいけません。取りすぎると生地が勿体無いですし、少なすぎると思い通りの洋服ができません。
    異素材の生地を組み合わせる時は、生地の厚さが違うのでさらに大変な仕事です。

  • 動画で見る 生地の特性バイアスとは?

  • まとめ

    「洋服」はデザイナーとパタンナーの共同作業で作られることが分かりました。

    業種によっては資格を持っていると企業の求人の際などに役立つこともあるでしょう。 世の中には洋服がたくさんあります。アパレル業界にはさまざまなブランドがありますが、ユニクロやZARAといったファストファッション、ヴィトンやプラダといったラグジュアリーブランド、ビームスやユナイテッドアローズといったセレクトショップ・・・
    そんな物余りの時代で、一体どんなお洋服が正解なのか分からない人は多いと思います。

    「洋服ってこんなに楽しいんだよ!」「洋服ってこんなにカッコイイんだよ!」
    そんな洋服の魅力をリユースを通して少しでも伝えたい、エコスタイルはそう考えています。正解の洋服という物は無いかもしれませんが、洋服の魅力をずっと伝えていきたいと思います。
  • 脚注

    ※1 オートクチュール・・・高級注文服、オーダーメイド等の1点物
    ※2 キャド・・・「Computer Aided Manufacturing」の略で、図面の設計や作図がコンピューターでできる
    ※3 バイアス方向・・・織り目に対して斜めなこと

この記事を監修した担当者

  • 吉本訓典,AACD協会基準判定士、リユース営業士,エコスタイル鑑定士

広尾店、銀座本店の鑑定士を経て店舗サポート課に配属され複数店で鑑定士を経験。
エコスタイルのコンテンツのコラムや買取実績などを担当。鑑定士で培ったブランド知識やメンテナンスの知識を活かしコンテンツを制作している。
    吉本訓典,AACD協会基準判定士、リユース営業士,エコスタイル鑑定士

広尾店、銀座本店の鑑定士を経て店舗サポート課に配属され複数店で鑑定士を経験。
エコスタイルのコンテンツのコラムや買取実績などを担当。鑑定士で培ったブランド知識やメンテナンスの知識を活かしコンテンツを制作している。
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    吉本訓典
    AACD協会基準判定士、リユース営業士
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    吉本訓典AACD協会基準判定士、リユース営業士
    エコスタイル鑑定士

    広尾店、銀座本店の鑑定士を経て店舗サポート課に配属され複数店で鑑定士を経験。
    エコスタイルのコンテンツのコラムや買取実績などを担当。鑑定士で培ったブランド知識やメンテナンスの知識を活かしコンテンツを制作している。

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