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2016/03/09バーバリーとトレンチコートの歴史

バーバリー 歴史

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バーバリーとトレンチコートの歴史

バーバリーといえばトレンチコートというイメージを抱く人も多いのではないでしょうか?
永遠の名品コートとして親しまれ、いつの時代も高い人気を誇っています。

今回はそんな世代を超えて愛されるバーバリーとトレンチコートの深いつながりについてご紹介いたします。

  • バーバリーとは?

    バーバリーとは?
    バーバリーは1856年にトーマスバーバリーによって創設された洋服店からはじまった、イギリスを代表する世界的なファッションブランドです。
    品質へのこだわりや着心地の追求などで大きな店へと発展したバーバリーの洋服店は、ギャバジンとよばれる防水性と耐久性の高い新素材を発明したことにより一躍有名になりました。
    ギャバジンを使ったトレンチコートやキャメル地に黒・白・赤のラインが交差するバーバリーチェックのデザインなど、他にはないおしゃれでエレガントなアイテムで世界中の人々を魅了しています。
    創業から160年以上経った今でも、一貫して品質と洗練された上質なデザインにこだわり、長きに渡って格式あるブランドであり続けるブランドです。
    バーバリーの歴史についてはこちらの記事でも紹介していますが、新しい素材の発明やスタイルは、世界のファッションに強い影響を与えました。
    その中でもトレンチコートは現代まで長く愛用されているファッションアイテムで、バーバリーの象徴的なアイテムです。
  • ギャバジンとは?

    ギャバジンとは?
    ギャバジン素材とは防水処理が施された耐久性の高いコットン生地のことで、主にバーバリーのトレンチコートに使用されています。
    農民が汚れを防ぐために洋服の上から着ていた上着をヒントに、創業者であるトーマスバーバリーが発明しました。光沢感やしなやかな風合いのある生地で、スーツやコートなどに用いられています。
    ギャバジン素材はとても耐久性があるため、比較的簡単にお手入れすることができます。また撥水性があるため悪天候でも問題なく使えることや、手触りが良くドレープ感のあるシルエットが作れることから男女問わず人気のある生地です。

    ギャバジンが開発された当時のヨーロッパは世界大戦へと進んでいた時代でした。
    新兵器が開発され、それから身を守るために塹壕を使った戦いが余儀なくされました。トレンチコートのトレンチとは、この塹壕を意味します。
    塹壕は地面を掘っただけの穴にすぎなかったため、雨が降ると足元はぬかるみ体は冷えてしまうという過酷な環境でした。
    そのため、兵士を雨から守る防水性と耐久性の高い軍服が必要とされました。そしてその条件を満たすことができたのが、防水性に優れたギャバジンで作られたバーバリーコートだったのです。
  • バーバリーのトレンチコート

    バーバリーのトレンチコート
    バーバリーのトレンチコートが登場したのは1910年代でした。
    1915年の雑誌で、「ニュー・ミリタリー・"トレンチ"コート」として紹介されていることから、トレンチコートという言葉が新しい言葉であったことが伺えます。
    このトレンチコートという言葉の由来は、塹壕を意味するトレンチからきています。
    1914年に開戦した第一次世界大戦は、新兵器の発明により塹壕戦と呼ばれる戦闘形態をとっていました。
    これはそれまでは肉弾戦が中心の短期決戦型の戦いとは異なる、長期にわたる消耗戦でした。
    塹壕はほとんどが地面に穴を掘っただけの簡単な作りをしていたため、雨が降るとすぐに水がたまり地面はぬかるんで泥だらけになってしまいます。
    衛生状態が悪い中、寒さの厳しい冬をも乗り越える必要がある長期戦において、兵士の体を守る防水性に優れたコートが必要でした。

    トレンチコートには、その前身となるとされるコートが2つあります。
    1つはバーバリーのタイロッケンコート、そしてもう一つはアクアスキュータムのロッカビーコートです。
    この2つのコートは、どちらも前ボタンのないトレンチコートといったデザインのコートであまり違いがありません。
    そのうえ、奇しくも全く同時期に登場しました。
    今となっては真相は定かではなく、あくまで想像にすぎませんが、戦争を機に2つのブランドに軍部からコートの開発が要請されていたか、あるいは共同開発を行っていたのではないでしょうか。
    実際、バーバリーのロッカビーコートやトレンチコートは軍に納められ、兵士の装備として支給されている記録が残っています。
    戦争は皮肉にも多くの発明を促しますが、それはファッションも例外ではなかったのです。

    バーバリーのトレンチコートは、登場から幾度となく改良されます。
    そのすべてが戦争において使いやすくするための工夫であることがパーツからも、そして改良の勢いからも伺えます。
    幾度となく改良が繰り返されるバーバリーのトレンチコートですが、1918年ごろには現在のものと変わらないデザインに落ち着きます。
    このデザインはその後アメリカをはじめ世界各国に広がり、第二次世界大戦でも使用されますが、ほとんど改良されることはありませんでした。
    つまり、登場からわずか3年ほどで兵士を守るトレンチコートは完成形へと進化したことになり、それほどまでに開発を急いでいたことが伺えます。
    そんな戦争と深い関わりを感じられるトレンチコートのパーツの秘密も見ていきましょう。
  • トレンチコートのパーツの秘密

    トレンチコートのパーツの秘密
    現在のトレンチコートはお洒落なコートとして、人気を博しておりますが、元々本来は軍事服としてつくられたコートです。
    ですので、トレンチコートにパーツなどは様々な役割がございます。
    少し長くなりますが6パーツ紹介しますね。
    まず1つ目の襟元の小さいベルトのようなパーツは「スロートラッチ」と呼ばれ、雨風を防役割です。
    そして2つ目に、肩のパーツ「エポーレット」は階級を表すバッチをつけたり、双眼鏡や水筒のストラップが滑り落ちるのを防いでいます。
    3つ目に胸上部分に生地が2重になっている部分は「ガンフラップ」といい、ライフルを発射する際の衝撃を防ぐ為に2重になっています。
    4つ目に背中上部分の2重構造になっているあて布部分は「ストームシールド」。
    降りかかった雨がコートに浸透しないように水滴が地面に落ちる仕組みになっています。
    5つ目のベルトについているDの形の金具は「Dリング」といい、軍事用品を下げる為に使われていました。
    6つ目は後ろ身頃の裾のプリーツのような部分「インパーテッドプリーツ」といい、内側の釦を外すと大きく裾が広がる仕組みになっており、馬を乗る際などの足の動きを自由にしています。
    ざっと6つのパーツの役割を説明しましたが、現在は全て装飾として使われています。
    意外と知らないことばかりで驚きますよね。
    ただファッションのパーツは基本的に役割があります。
    そういった視点でファッションについてみていくとまた違った楽しみ方ができるかもしれません。

この記事を監修した担当者

  • 吉本訓典,AACD協会基準判定士、リユース営業士,エコスタイル鑑定士

広尾店、銀座本店の鑑定士を経て店舗サポート課に配属され複数店で鑑定士を経験。
エコスタイルのコンテンツのコラムや買取実績などを担当。鑑定士で培ったブランド知識やメンテナンスの知識を活かしコンテンツを制作している。
    吉本訓典,AACD協会基準判定士、リユース営業士,エコスタイル鑑定士

広尾店、銀座本店の鑑定士を経て店舗サポート課に配属され複数店で鑑定士を経験。
エコスタイルのコンテンツのコラムや買取実績などを担当。鑑定士で培ったブランド知識やメンテナンスの知識を活かしコンテンツを制作している。
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    吉本訓典
    AACD協会基準判定士、リユース営業士
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    エコスタイル鑑定士

    広尾店、銀座本店の鑑定士を経て店舗サポート課に配属され複数店で鑑定士を経験。
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