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2021/08/02ネクタイってどうやって作るの?

何気なく普段着用しているネクタイ。どうやって作られているか疑問に思うことありませんか?

量販店で販売しているネクタイと海外ブランドのネクタイって何がどう違うのかもわからないという方もいらっしゃるかと思います。

そこで今回はエコスタイルバイヤーが、ネクタイについて徹底解剖ししていきます。

今まで知らなかったネクタイの1から100までを知ることができるボリュームになっています。

この記事を読むことで、明日からのネクタイ選びを違った視点から見ることができます!

良いネクタイ選びや、ネクタイに対して少し興味がある方に是非ご覧いただきたいと思います。
  • ビジネスシーンに欠かせないネクタイの歴史

    まずは、作り方の前にご紹介しておきたいことがございます。それは、そもそもの【ネクタイの歴史】です。
    少し深堀すれば、明日から、ネクタイが違った物に見えるのではないでしょうか?

    現在では、ビジネスシーンには欠かせない【ビジネスアイテム】として認知されている物です。
    社会人になったら付けるのが一般的で、ほとんどのビジネスマンの方はシャツにネクタイを付けて仕事をしています。シャツの中心でも左右に売れるネクタイはどことなく大人の魅力を感じさせますね。ふと、そんなネクタイのことを調べていくと、思いもよらない歴史がありました。

    さかのぼる事、紀元前には人々が首の周りの装飾品をする文化があったようです。
    古来、男性女性問わず、人類は首の周りに何かを“巻く”ことに関心があり、装飾品や布などを巻き日々を過ごしていたようです。
    それは、国や地域を問わず、様々な文献が残っているようです。
    思い返してみると、古い歴史的な芸術品なども、首や肩にかけて布などが巻かれています。

    今のようなネクタイの形というわけではありませんが、16世紀頃から男性が首回りに布を付ける文化が一般化してきました。
    一見するとコルセットのような太い大きな物を首に巻いておりました。非常に立体感がある物でした。
    現在のネクタイの形になるまでには至りませんが、フランスのルイ14世がネクタイを流行らせたと言っても過言ではありません。
    ヨーロッパで勃発していた、ドイツとスイスでの宗教改革による対立から広まった、後に三十年戦争と呼ばれた戦争中に、周辺国まで巻き込んでいたこともあり、クロアチアの兵隊がフランスに傭兵として訪れる事になった際に、その姿を目の当たりにした、ルイ14世が気に入り、思わず声を掛けたそうです。

    クロアチアの兵隊は、首元にスカーフを巻く文化があったようで、それを【クラバット】と呼ぶと覚え、ルイ14世自身も自身の服装に取り入れることにしたそうです。
    今では、フランスではクラバットはネクタイを指す語源として知られています。
    フランスはファッションに強い関心がある国でしたので、フランスの王様が首元に身に着けているスカーフを見逃すわけがありません。
    徐々に、フランス国内を始め、ヨーロッパ全体に広がっていきました。日本では、ジョン万次郎が初めてネクタイを付けたと言われています。
  • ネクタイの作り方の工程

    それでは、ネクタイの作り方を一緒に確認していきたいと思います。
    普段、何気なく身に着けているネクタイも、多くの人と多くの時間を要して作られています。
    大きく分けて3つの工程がありますので、ご紹介します。

    ○生地作り

    一番の原点である生地を作るところからです。
    まずは生地無しにはネクタイは始まりません。

    ドレス文化が栄えているイタリアやフランスなどのヨーロッパ各国に、ネクタイブランドのメーカーがあるのはご存知でしょうか?
    各ブランドによって自社で生地を作っているブランドや、生地メーカーから生地を取り寄せているブランドなどがございます。
    使うシーンや時期によっても異なりますが、多くのネクタイの素材はシルクできています。

    まずは、撚糸と言う作業からです。
    糸を作り、練り合わせて糸を強くしていきます。
    練り合わせて強くなった糸をさらに、強固な物にするために製錬と言う作業に移ります。

    シルクが本来持っている輝きをさらに高めるための物です。
    そして、できた糸に、色を付けていく染色工程があります。
    中性溶液を使い、1時間ほど染機にかけ、染色されたシルク糸ができます。
    別工程でデザインされた生地に仕上げるために、織り機を使い、経糸と横糸をジャガードにかけて初めて生地になります。
    そして、生地の痛みや糸ほつれなどが無いか機械ではなく、人の目で確認をしていきます。

    ○デザイン・企画

    ネクタイ以外の多くの製品はここから始まります。

    ネクタイもトレンドがありますし、ファッションアイテムとしての側面もありますので、企画から入り、ある程度のデザインを決めてきます。
    グラフィックソフトなどを使い、企画されたデザインをデータにしていきます。
    また、同タイミングで配色なども決めていき、見栄えの良い物を決定していきます。

    ここで聞き慣れない方も多いかと思いますが、“意匠”と言う工程がデザイン・企画にはあります。
    データ化されたデザインに対して、どのように生地を織り込むか決めていく行程です。
    経糸と横糸のバランスを考えて、ジャガード機にそのデータを読み込ませていきます。
    整経と言う段階に入り、ネクタイの幅、長さ、糸の本数まで決めていきます。
    大きな巻き機に300~500本のシルクの糸を使って、デザインされた生地を作ります。

    ○裁断・縫製

    3つの大きな行程の中で、最後に行うパートになります。
    生地作り、デザイン・企画を経て作られたシルクの生地を、決められた形に裁断していきます。
    様々あると思いますが、ネクタイは8個のパーツからなります。
    大剣表地・小剣表地・なかはぎ・小剣通し・大剣裏地・小剣裏地・ネクタイ芯(大剣、小剣)各パーツ事に切り分け、縫い合わせしていきます。
    裏地付け、芯付け、アイロンがけ、整形、裏閉じ、ブランドネームを付けて完成します。

    神経を使う、細かい作業を繰り返し行い、さらに多くの工程を通り抜け、ネクタイは私たちの手元に届けられます。

  • いいネクタイを見分けるポイント

    私たちが住んでいる日本にも様々な国のブランドのネクタイがあります。
    どんな物を選んで、大切な方へのプレゼントに選べばよいのかわからない時ありますよね。
    ここではいいネクタイがどのようなものなのかをお伝えしていきます。

    ○経糸の作りを見る
    いいネクタイは作りが違います。悪いネクタイなどはないですが、シルク素材を使っているアイテムですので、素材であるシルクの質を見極めましょう。

    作り方でご紹介しておりますが、シルクの光沢感などを見ると良いと思います。
    一般的なシルク素材のネクタイの経糸は360~380本程度とされております。
    縦の生地の密度が高い方が、経糸を多く使っており、丈夫かつ光沢のある品の高いネクタイとして仕上がります。
    購入時に、ショップの店員さんに、どれくらいの経糸を使っているのか教えていただき、上記経糸の本数よりも多い場合、質の高い良いネクタイと思っても間違いないのではと思います。

    ○大剣の裏地を見る
    なぜ裏地か?と言いますと、作りに似た部分ではありますが、ネクタイはシルクの織物です。表面ばかりではなく、裏側や内側といった隠れた部分からもその良さを知る事が出来ます。
    織り物に対して高い技術力が必要なセッテピエゲ、ノヴェピエゲなどと呼ばれるネクタイを選んでみるのも良いでしょう。

    クラシックなスタイルに合う物ですので、ネクタイ通の方などには喜ばれると思います。
    ネクタイの歴史をもう一度振り返ると、16世紀くらいから見られた、ネクタイの元になった首飾りのキーワードは“立体感”です。

    スカーフが元になったとも言われておりますネクタイですので、一枚のシルク生地を折り畳み、裏地を入れないネクタイは、職人による高い技術力が必要な製品になります。
    <br /> 洋服では型紙の制作やミシンの使い方、縫い代やボタンの付け方などに細かい技術が必要です。サイズによって微妙な変化もあり、時には手縫いで一針一針縫っていきます。縫い目の一つ一つに職人の技を知ることができるのです。 <br /> <br /> ネクタイもまたしかりです。材料の選定から接着やカットなどにネクタイならではの技が必要となってきます。高価なシルクを幾重にも織り込むのは容易ではありません。
    <br /> そのため、良いネクタイと言えると思います。

    ネクタイの歴史から作り方まで幅広く見てきましたが、ネクタイには古い歴史があり、時代と共に変化してきました。
    人々が着用する衣服(ファッション)の変化と共に、ネクタイも変化をしてきました。
    セッテピエゲのネクタイで有名なE.マリネッラなどは1994年に開催されやG7で、5本入りのネクタイの箱を各国に配っていました。
    小さな宝石とも例えられるネクタイ。おしゃれの代名詞ともいえるでしょう。
    自分がどんな人間で、どんな組織に所属しているかなども表す、自己表現が出来るファッションアイテムです。

    これからのネクタイ選びに少し役に立てば幸いです。

    ※上記、画像は7つ折りのイメージ画像になります。セッテピエゲ(7つ折り)は1枚のシルク生地からできている物を指します。
  • 動画で見る良いネクタイのポイント

  • ファッションアイテムとしてのネクタイの魅力

    〇まとめ

    繊細なシルクの糸を1本1本織っていき、計算しつくされたデザインで作られている物がネクタイです。

    意識しないと、気付かないネクタイの品質の良さ。多くの人の手が関わって、1本のネクタイが作られます。贈り物などでも、選ばれるネクタイ。
    シルクの質の良さ、柄、作りなど細かいディティールが多数存在しています。多くの方がしているネクタイに注目して、ファッションを楽しむ。ご自身のスーツ・ドレススタイルにお役に立てばと思います。

    こちらに書かせていただいていることを頭の片隅に入れていただき、ネクタイを楽しみましょう!

    ネクタイがお好きな方は、ついつい集めてしまうと思います。気分を変えたい時や、合う人やいく場所によってもネクタイを変えることもあると思います。

    ふと、クローゼットなどを見てみると、使っていないネクタイがたくさんある。。。

    なんてこともあるのではないでしょうか。そんな時は、ネクタイの買取をしている、エコスタイルにお任せ下さい。
    1点から、お見積り可能です。未使用、中古品問いません。是非、売却の際は、エコスタイルでご検討下さいませ!

この記事を監修した担当者

  • エコスタイル
    吉本訓典
    AACD協会基準判定士、リユース営業士
    エコスタイル鑑定士

    広尾店、銀座本店の鑑定士を経て店舗サポート課に配属され複数店で鑑定士を経験。
    エコスタイルのコンテンツのコラムや買取実績などを担当。鑑定士で培ったブランド知識やメンテナンスの知識を活かしコンテンツを制作している。