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2016/06/18パライバトルマリンの歴史と今を知る

パライバトルマリン

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パライバトルマリンの歴史と今を知る

パライバトルマリンは幻の宝石とも言われ、その価値は他のトルマリンとは比べ物になりません。パライバトルマリンの歴史と今を知る事で、その整合性を学びます。

  • パライバトルマリンの歴史

    パライバトルマリンの歴史
    1987年にパライバトルマリンの歴史は始まりました。他の宝石と比べると非常に歴史の浅い宝石です。
    宝石は伝統的に価格が決定される事が多いので、歴史の浅いパライバトルマリンを毛嫌いする層がいる事も否定できません。熟年の宝石職人の方から言わせてみると、歴史が浅いという観点からあまり好きになれないと言われるかもしれません。やはり、伝統に裏付けされた、モゴック産ルビーや、カシミール産サファイアにはまだまだ敵わない現状があります。
    しかし、この美しさと希少性が変わらない限り、パライバ州バターリャ鉱山のパライバトルマリンが伝統的に権威をようする日がやってくると考えています。
    パライバトルマリンの特徴はブルーからグリーンにかけての蛍光性の強い光を発するトルマリンという事です。この蛍光性はCU(銅)の成分によるものだと言われています。独特な色合いから、最初に発掘されたパライバ州の名前をとって「パライバトルマリン」と区別されるようになりました。1991年まではかなりの量の採掘がありましたが、残念ながら現在ではほとんど採掘がないのが現状です。
    代わりに、アフリカ産のモザンビークやナイジェリアで採掘がありますが、ブラジル産に比べて低品質の物が多いです。稀に、あっと驚くようなアフリカ産も目にしますが、総合的にはやはりその品質の差は大きいです。産地で金額が変わる宝石の代表的な例と言えるでしょう。
  • パライバトルマリンの生産国

    パライバトルマリンの生産国
    パライバトルマリンの産地についてです。
    最初にご説明しましたように、パライバトルマリンはパライバ州で採掘されたことが名前の由来です。1つめの産地は?パライバ州バターリャ鉱山です。その次に採掘がはじまったのがバターリャ鉱山と同じ山脈にある?リオグランデドノルテ鉱山です。
    バターリャ産はインクルージョンが入りやすいですが色が最も良く、蛍光性がはっきり分かるねっとりと照る石が多いです。リオグランデ産はバターリャ程のネオンは感じませんがストレートに輝く石が多いのが特徴です。どちらも現在でも微量に採掘があり、パライバトルマリンの一級鉱山として知られています。
    この周辺には鉱山が多く、他には?ムルング鉱山?キントス鉱山等があります。こちらの鉱山はドイツ系の会社がオーナーという事もありブラジル内で出回る事はありません。宝石の鉱山ではよくある話ですが、外資の参入はほとんどがこのパターンで、国外で研磨され、より儲かるようなルートをたどっていきます。
    ブラジルでの生産が難しくなってきた事と同時に、アフリカでも銅を含むトルマリンのが発見されました。品質に差があるものの、こちらも銅を含んだトルマリンという事でパライバトルマリンと呼ばれます。代表的な産出国としては?モザンビーク産と?ナイジェリアがあります。
    もともとは同じ大陸だったと推測される南米大陸とアフリカ大陸ですから、パライバトルマリンが発掘される事はそこまで不思議な事象ではありませんでした。しかし、その品質には大きな差があります。最近は、ごく稀に非常に美しいパライバトルマリンも発掘されていますが、基本的には品質に大きな差があります。
    大きな特徴としては、色が薄く蛍光性が少ないパライバトルマリンが多いです。銅の成分が見られる事から同じ「パライバトルマリン」と呼ばれますが、ブルートルマリンに近い品質の物が多いです。しかし、大粒の個体が採れやすい事もあり、綺麗なアフリカ産パライバトルマリンは市場で高額で取引され始めています。
    見分け方としては、パライバトルマリンは銅の成分によってネオンカラーを発するので、銅の検出量を参考にしてください。ブラジル産が1,5%以上である事が多いのに対して、アフリカ産は半分以下の0,7%以下である事が多いです。マンガンの検出量だけでは一概には推測できませんが、この比率には注目する価値があります。銅:マンガンが1:2以下のパライバトルマリンはアフリカ産の可能性が高くなるかもしれません。GIA等の宝石研究機関のレポートで産地の特定が可能です。あくまで、レポートですので100%という訳ではありませんが、信頼度の高い結果が得られると思います。
    とは言え、ブラジル産だけではどうしても市場の需要に応えきれないと思いますので、今後のアフリカ産も価格の高騰は自然の成り行きでしょう。
  • パライバトルマリンのリセールバリュー

    パライバトルマリンのリセールバリュー
    宝石とはその価値が変わらない物質です。資産としての価値として一定の認識がされている事も宝石の需要が衰退しない1つの理由ではないでしょうか。そういた意味で、伝統に裏付けされた価値には意味があるのです。
    宝石で最も安定したリセールバリューがあるのはダイヤモンドでしょう。これは明確な価値の指標があるからです。
    また、ダイヤモンドはデビアスがその流通量を調整しているので価格が暴落する事は考えにくいです。ダイヤモンドは実は希少性の側面ではあまり高くない物質です。最高品質のグレードで大粒の物と言えば、ある程度の希少性がある事は間違いないと思いますが、小粒の低品質のグレードであれば、おそらくほぼ無限に採掘が可能だと思います。デビアスが流通を制限している事でその価値が保たれているんですね。
    一方、パライバトルマリン等のいわゆる「色石」は明確な指標が存在しません。それは人によって「美しい」と感じる感覚が違うからです。こればかりは好みなので、統一する事が難しいのです。それゆえに、色石の場合は美しさよりも「希少性」による価格決定のウエイトが大きいのも事実です。産地によって価格が大きく異なるのも、その典型的な例ですね。
    例えば、エメラルドの場合だと明るく輝くエメラルドグリーンの石の方が美しいと思う人が多いかもしれませんが、深くダークに輝くエメラルドグリーンの方が希少性が高く、その価値の差は大きく存在します。
    さて、リセールバリューについてですが、パライバトルマリンもリセールバリューが期待できる宝石だと考えています。販売金額にとてつもない金額がついている事が多いので、売却する時に安いと思う方が多いかもしれませんが、価値がある宝石である事に間違いはないのでそれなりのリセールバリューが期待できます。また、金額がおそらくもう少し高騰してくる宝石であると推測できますので、投資的な側面も持ち合わせています。
    2次流通の価格の決定としては、ブラジル産の最高品質のもので1ctあたり100万円くらいまでは現実的な話かと思います。この価格はモゴック産非加熱ルビーや、カシミール産非加熱サファイアに引けを取らない価格に設定されています。本当に美しいSランクの宝石の価値は上昇し続けています。日本国内を見渡しても、このクラスの宝石はあまりお目にかかれませんが、それ程のポテンシャルを秘めた宝石なんですね。 リセールバリューを加味したうえでも、やはりパライバトルマリンは魅力的な宝石だと言えます。

この記事を監修した担当者

  • 吉本訓典,AACD協会基準判定士、リユース営業士,エコスタイル鑑定士

広尾店、銀座本店の鑑定士を経て店舗サポート課に配属され複数店で鑑定士を経験。
エコスタイルのコンテンツのコラムや買取実績などを担当。鑑定士で培ったブランド知識やメンテナンスの知識を活かしコンテンツを制作している。
    吉本訓典,AACD協会基準判定士、リユース営業士,エコスタイル鑑定士

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    吉本訓典
    AACD協会基準判定士、リユース営業士
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